2020年にサイバー大学IT総合学部IT総合学科(テクノロジーコース)に3年次編入し、最短の2年間で卒業した体験談です。
サイバー大学に入学した理由
- コロナ禍のステイホームで暇だったから
- カナダのコミュニティカレッジ(リモート)でアプリ開発、イギリスの大学の学士課程(オンライン)でコンピューターサイエンスを学んでおり、日本のオンライン大学の教育内容と比較してみたかったから
- 入学当時は二重学籍の禁止規定がなかったから(現在はあるようです)
学業の難易度
通信制大学の卒業率が一般的に10~20%と言われている中、サイバー大学の卒業率は40%を上回っており、通信制大学のなかでは卒業しやすい大学となっています。
在学年限を最長 8 年までに改定した 2015 年度秋学期入学者から、2023 年度秋学期末
までに標準修業年限以上在学した学生(早期卒業含む)の卒業率は 46.3%となってお
り、大学目標値の 40%を上回っている。また、編入学者の卒業率が高い傾向にあり、
52.1%となっている。在学生の履修継続支援の強化により、卒業率は前年までの数値
から着実に上昇している。
https://www.cyber-u.ac.jp/about/pdf/self-check/businessplan_240501.pdf
成績評価の方法は、実習系の科目は出席(授業を受けて確認テストを受けると出席扱いになる)と提出課題、講義系の科目は出席と期末試験でした。授業後の確認テスト・期末試験ともにオープンブック形式・選択式で、さらに試験の内容は授業のレジュメにほぼそのまま書いてある状態だったので、試験のために必死に暗記する必要はなく、レジュメの該当箇所さえ探せれば正答できる試験でした。
私はサイバー大学以外にも日本の大学の法学部(通学制)、日本の大学の文学部(通信制)、イギリスの大学のコンピューターサイエンスの学士課程(通信制)を卒業しているのですが、通学制の法学部では試験がオープンブック形式だったことはなく必要な知識はすべて暗記する必要があり、他の通信制の大学では試験はオープンブック形式でも必死に調べ上げないと書けないような論述式だったので、サイバー大学の試験は随分と易しいように感じました。正直サイバー大学の期末試験に関しては、講義動画を視聴して確認テストを受ける以外の勉強を何もしていなくてもレジュメを参照しながら受ければ高得点(90点以上)が取れてしまうので、こんなに簡単で良いのかと思っていました。
難しかった科目は統計学で、授業で分からなかったところを書籍やインターネットで調べたりしました。テクノロジーコースでは数学を履修する必要がありましたが、内容は高校数学(大学数学という感じではなかった)で、難易度も標準問題くらいまでで、試験には授業でやった問題が多少数値を変えただけでほぼそのまま出題されていました。
プログラミングなどの実習系の科目でも、課題自体は特別難しいものはなく、指示通りの動きをするプログラムを提出期限までに提出できれば、多少コードにまずいところがあってもほぼ満点をもらえました。
全ての授業に出席(授業動画を視聴して確認テストを受験)し、期日までに指定された課題をこなすという当たり前のことを淡々とこなすことができれば、良い成績を取りやすい大学だと思います。
実際の成績
サイバー大学で履修した科目は全て90点以上で、GPA4.0でした。私は勉強が特別得意なわけでもなく、一流大学卒でもないです。全ての授業に出席(授業動画を視聴して確認テストを受験)し、期日までに指定された課題をこなしただけでこの成績でした。
確認のために成績表を取り寄せてみましたが、他大学で取得した単位が認められた科目がPで、サイバー大学で履修した科目が全てAでした。
評価基準:A・・・100〜90点 B・・・89〜80点 C・・・79〜70点 D・・・69〜60点 F・・・59点以下
表記内容:P・・・他大学単位認定科日
私が在学していた当時は成績が学年で上位10位までの人には次年度の学費に充当できる給費奨学金の制度があり、三年次から四年次に進級するときにこの奨学金をいただくことができ、四年次の2〜3科目が無料になりました。成績がオールAでもまだ上に成績上位の方が5名以上いました。
卒業時も成績優秀者での卒業でした。
サイバー大学がおすすめな人
・フルタイムで働きながら学士号を取得したい人、ITやビジネスについて学びたい人
フルタイムで働きながら学業も行うのは気力・体力が続かず大変だと思います。サイバー大学の場合は授業内容に特別難しいものがなく、試験もオープンブック形式かつ選択式で必死に暗記したりといった試験対策をしなくても合格するのが難しくないので、疲れていてもなんとか卒業まで続けられるのではないかと思います。
・海外の大学院に進学したいなどで高いGPAが必要な人
サイバー大学は通学制の大学や他の通信制の大学に比べて試験が易しく、成績評価も甘口なので、良い成績が取りやすいと思います。学部の成績が芳しくないが海外の大学院に進学したい場合など、高いGPAが欲しい場合にも良いのではないかと思いました。
サイバー大学があまりおすすめできない人
・情報工学やコンピューターサイエンスをしっかり学びたい人
同じくオンラインで学んだイギリスの大学のコンピューターサイエンスの学士課程と比べても、サイバー大学の方が数学やプログラミング系の課題の難易度がかなり低かったです。欧米の数学は日本の数学よりも易しいので、日本の通学制の大学の情報工学系の学部と比べても数学やプログラミング系の課題の難易度は雲泥の差だろうと思います。オンラインで情報工学やコンピューターサイエンスをしっかり学びたい場合はアメリカやイギリスの大学の方が良いと思いますが、日本語で教育を受けて今後も日本で生きていくという人が日本でフルタイムで働きながら学位を取得できるレベルの英語力を身につけるというのはなかなか厳しいと思います。日本の大学もオンラインで日本語で学べる情報工学系の学部を作ってくれると良いのですが…
まとめ
サイバー大学は学生の卒業率を上げたいようなので、真面目にやっていれば単位を取りやすく、卒業させてくれる大学といった感じがしました。学んでみて損はないとは思いますが、IT系をゴリゴリに学びたい人には内容が薄いと感じるかもしれないと思いました。