2020年コロナ禍中にカナダのコミュニティカレッジにオンライン留学した体験談[プログラミング]

cornerstone diploma カナダ

コロナ禍中の2020年、カナダのバンクーバーのコミュニティカレッジのWeb & Mobile App Development Diplomaコースにオンライン留学した話です。
元々は現地に渡航して留学するつもりでしたが、学校に申し込んで学費も払い込んだ後に新型コロナウイルスの世界的な大流行が発生しました。
コロナ対策として学校がオンライン授業(録画ではなく、実際に先生が授業をしているのをZoomでリアルタイム配信する方式)を提供していたので、時差の問題を除けば日本からでも受講可能でした。
クラスメイトは自分以外は現地に渡航していましたが、自分はコロナ渦中に海外に渡航して何かあったら嫌だったのと、ステイホームしなきゃいけないなら家賃と生活費が高いバンクーバーでするより日本でしていた方がコスパが良いと思ったのとで結局すべて日本からオンライン受講しました。

留学しようと思った理由

20代の頃海外に行くのが好きで何カ国かに語学留学やワーホリで行っていたのですが、海外で通用する職業スキルがない自分が海外に滞在するとどんどんお金が出ていくので、海外でも通用するような手に職が付けられないものかと思っていました。
この頃(2010年代後半〜2020年くらい)やたらとプログラミングで手に職をつけようみたいなのが流行っており、海外留学でもプログラミングを学んで海外就職!みたいなのが増えてきていました。特にカナダでは職業訓練コースに通うとそれと同じ期間フルタイム就労ができる(学業期間が12ヶ月ならフルタイム就労が12ヶ月できる)Co-opという制度があるので、留学エージェントが推してる感じでした。
自分は他にできそうな手に職つく系の専門もなかったので試しにやってみました。

留学時の英語力

フィリピンに4ヶ月程度語学留学、イギリスの大学学部に1年間留学、オーストラリアに半年間ワーホリしたという経験があったので英語の日常会話はできました。当時の英語の語学試験のスコアはTOEIC905点、IELTS(Academicモジュール)7.5でした。
幸い学校内では英語で困ることはなかったです。(現地で就職したら英語で困ることはあっただろうと思います)

留学時のプログラミング能力

2019年からprogateをやったりオンラインの初心者向けプログラミングスクールをやってみたりしていました。オンラインの初心者向けプログラミングスクールは30万円くらいの学費をとって初心者にとりあえずなにか作品を作らせて企業に就職を斡旋するという感じでした。しかも斡旋先の企業がほぼ東京のみでした。自分は地方都市在住、かつ大学時代に東京に住んで「家賃とか高い割に給料が特別高いわけではないので地元に帰った方が得だ」と思っていたので、東京で就職したいとは思っておらず、プログラミング関係の仕事は未経験でした。
その後イギリスのロンドン大学が提供しているBachelor of Science in Computer Scienceのコースをオンラインで受講していました。このコースでコンピューターサイエンスの基礎とプログラミングの基礎は学んでいました。

学費

支払い総額が17,445カナダドル、当時のレート(1CAD=81.6JPY)で送金手数料込みで総額1,436,503円でした。

Web & Mobile App Development Diplomaコースの内容

Introduction to Computing
二進数などコンピューターサイエンスの基礎の基礎を学びました。

Algorithms, Flow Charts and Problem Solving (Python)
Pythonを用いてプログラミングの基礎を学びました。

Introduction to Object-Oriented Programming (Java)
Javaを用いてオブジェクト指向の考え方を学びました。(理解できたかどうかは別にして)

iOS App Development (Swift, X-code)
このコースのメインであるモバイルアプリ開発の部分で一番分量が多かったと思います。先生が授業でアプリ開発を実演して、生徒がそれに沿って自分でもアプリを作り、自分のオリジナリティーを加えた作品を課題として提出する、みたいな感じの流れでした。数人のグループでアプリを作る課題もありました。

Web App Development (React.js, Next.js, Material-UI)
先生の会社(プログラミングスクール)のホームページを制作する課題をクラスのほぼ全員でやりました。無給のインターンという位置付けだったので選抜があり、明らかに英語力やプログラミング力に難のある生徒は落とされました。自分はフロントエンドのチームに配属されました。

LeetCode problems
アメリカやカナダなどではソフトウェアエンジニアなどのプログラミング関係の仕事に応募すると、面接でLeetCodeなどのプログラミングの問題を出題されてプログラミング能力をチェックされるそうです。
自分はこれが嫌すぎて現地での就職は諦めました(笑)

Final Project (Fullstack App with Next.js, Prisma, and PostgreSQL)
最後の課題は実際に稼働するホームページを自作してそのURLを提出するというものでした。

クラスメイトのレベルと実際に現地で就職できるのかどうか

「プログラミングで海外就職!」みたいなのが流行っていた時期だったせいかクラスメイトは8割程度が日本人でした。その日本人のクラスメイトを英語力と専門技能でざっくり分類すると以下のようでした。

1、日本でシステムエンジニアなどプログラミング関係の職歴が数年以上あるが、英語力は特別高いわけではない。授業中の先生の指示などは理解できているが、英語が完全に理解できているというよりは専門技能の部分でカバーしている感じ。学歴は情報系以外の学部(経済学部、薬学部など)卒業。

2、日本で情報系の修士課程を卒業していて、英語力も高い。プログラミング関係の職歴はないが専門技能は高い。

3、英文科卒や英語圏への留学経験ありで英語力は問題ないが、情報系以外の学部(言語学部、法学部など)卒でプログラミング関係の職歴もなし。授業中のアプリを作る課題は問題なく作れる。

4、英語力が低くて授業中の先生の話が理解できていない(先生ははっきりした発音でゆっくりめに話してくれていました)。多少プログラミング関係の職歴がある人もいるが未経験に近いレベル。授業中の課題で先生の要求を満たしたまともに稼働するアプリが作れない。

このうち現地で就職できていたのは1番と2番の人でした。1番の人は勤務先が頻繁に変わってたりしたので就職後に英語で苦労したのではないかと思います。3番の人のうちの一人(法学部卒)は自分です(笑)もう一人の英文科卒の人はこのコースが終わった後に別の学校(プログラミング系以外)に通っていました。3番の人はプログラミングが好きで得意なら現地就職できる可能性はあると思います。4番の人はかなり厳しいと思います。授業中に先生から「もっと英語の勉強をした方がいい」と名指しで言われていました。上記の「先生の会社(プログラミングスクール)のホームページを制作する課題(選抜制の無給インターン)」でも落選していました。

卒業はできたのか

Web & Mobile App Development Diplomaコースは前半の一年間の学業の部分を無事に修了し、後半の職業訓練の部分でも一定の期間コースと関連した分野で就労して条件を満たさないと卒業ができない(Diplomaの学位がもらえない)というものでした。
自分はコロナ禍にはカナダに渡航しなかったので、職業訓練の部分は日本で働くことで満たして無事に卒業しました。
Co-opはカナダの制度ですが、職業訓練はカナダ以外の国で行っても満たせるということでした。

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