2017年、26歳の時にオーストラリアのシドニーにワーキングホリデービザで滞在した体験記です。
ランゲージエクスチェンジ(言語交換)探し
日本語を学んでいて、かつ自分が学びたい外国語に堪能な外国人がいそうな場所(現実でもネット上でも)に募集広告を出します。シドニーの場合はシドニー大学に日本語学科があるようなので、シドニー大学の日本語学科の人が見そうな場所にある掲示板に張り紙をしておくとよいです。シドニー大学の敷地内は部外者でも入ることができ、校舎内も場所によっては廊下くらいまでは入れました。自分がシドニー大学の構内を歩いていた時、ちょうど大学でもランゲージエクスチェンジのマッチングをやっているという張り紙がしてあったので、そちらからも登録してみました。
英語のネイティブスピーカーとランゲージエクスチェンジをしたい場合、英語のネイティブスピーカーで日本語を学びたい人はその逆の人よりも少なく見つかりづらいため、根気良く探す必要があります。英語で話せる人であればネイティブスピーカーでなくても良い場合には、自分が学びたい言語のところに英語以外の言語も書いておけばけっこう簡単に見つかります。自分の場合は中国語とドイツ語を学んだことがあったので(会話ができるレベルではありませんが)、学びたい言語を「英語・中国語・ドイツ語」にして募集したら中国人とドイツ人のランゲージパートナーが見つかりました。
一人目:日本語専攻の中国人男性
シドニー大学の日本語学科のあたりの掲示板に張り紙をしておいたら連絡が来た人です。シドニー大学の修士課程で日本語を専攻していました。いかにも富裕層で学問好きな感じで、穏やかな性格の方でした。
大学を卒業後、少し働いたようですが、働くのはあまり面白くないので(多分労働に生活がかかっていない人)また学問をやっているとのことでした。アメリカで修士課程を修了後、オーストラリアで2つ目の修士課程に在学中で、このまま博士課程まで行きたいと言っていました。海外留学に年600万円程度かかるとして修士課程が2つで合計4年、博士課程に4年程度かかるとすると最低4800万円くらいの費用はかかりそうなので、どちらのお貴族様かと思っていました。
日本語や日本文化に興味がある人なので、日本の古典(古文・漢文)の話などをしました。
二人目:メディア系専攻の中国人女性
シドニー大学のランゲージ・エクスチェンジのマッチングで見つかりました。シドニー大学でメディア系の学問を専攻していました。中国でメディア系の仕事(アナウンサーなど)に就くには、中国語のネイティブスピーカー向けの標準中国語の試験で満点近く(得点率96%以上)を取らないといけない、というようなことを言っていました。
両親が同じ大学の卒業生で、さらに成績が1位と2位で同じ就職先に就職したのが縁で結婚したらしく、非常に知能が高そうな方でした。IELTSのリスニングとリーディングは満点の9.0だそうです。学生時代に両親の仕事の都合で香港に住んでいたらしく、広東語も堪能でした。香港では大陸中国人に対する当たりが強く、香港に来たばかりの頃広東語がわからない状態でクラスで放置されていたそうです。普通の人ならその状態で適応していくのは厳しいと思いますが、知能の高い方なのでなんとかなったのだと思います。
お父さんよりもお母さんの方が数ヶ月年上でbossyだったせいか両親が離婚し、離婚後にお父さんは若い女性と再婚して子供がいる、という複雑な家庭環境の話もしてくれました。
三人目:理工系専攻のドイツ人男性
シドニー大学のランゲージ・エクスチェンジのマッチングで見つかりました。シドニー大学で理工系の学問を専攻していました。専攻内容について説明されましたが、専門外すぎて理工系だということくらいしかわかりませんでした。「漢字を学ばずひらがなとカタカナだけで日本語ができるようにならないか」と聞かれたので「さすがにひらがなとカタカナだけでは子供のレベルだから無理」と答えたら日本語を学ぶ気力が減退したようでした。
英語圏の学校が留学生に割高な学費(自国民の2〜3倍)を科す問題について、「ドイツはfree educationの国だから自国民も留学生も学費はほぼ無料だ」と話しており、それに対して私が「昔ドイツの語学学校にいた時、メキシコ人の生徒がアメリカは学費が高すぎるからドイツ語を学んでドイツの大学に移ると言っていた、学費が無料でもドイツの大学で学べるレベルになるまでドイツ語のレベルを上げるのが大変だ。ちなみに日本も学費は自国民も留学生も同じ額です」と言うと、ドイツ人男性が「自分も日本語が出来たら日本で学んでみたい。外国語の壁が問題だね」というようなことを言っていました。日本の教育機関は授業料が英語圏のようにボッタクリ価格ではないため、大学院に英語で受講できるコースでも充実させればもっと優秀な留学生が来るようになるかもしれません(笑)
この数年前にヨーロッパに大量の移民が流入し、現地の女性が襲われるという事件が起こっていましたが、このドイツ人男性は「移民が増えても特に脅威はない」というようなことを言っていました。同じ問題について、語学学校の同じクラスのドイツ人女性は「ドイツはもう安全な場所ではなくなった」と言っていたので、男女で全然感じ方が違うと思いました(まあ男性は襲われませんからね)。
趣味・習い事
趣味がある場合オーストラリアでもやってみると、語学学校・シェア先・バイト先以外の人間関係が築けると思います。特にチームでプレーするスポーツなどをやっている人は有利です。自分の場合は特に趣味と言えるほどのことはなかったので、適当にやってみたいことをやってみました。
ゲーテ・インスティトゥートに通ってみた
ゲーテ・インスティトゥート(Goethe-Institut)とはドイツ政府が設立した公的な国際文化交流機関で、海外の有名都市に支部があり、外国人向けのドイツ語教育が行われています。一度通ってみたいと思っていたものの、日本の自分が住んでいる都市にはなかったので、シドニー滞在中に通ってみることにしました。
B1レベルのコースを10回ほど受講しました。先生はオーストラリア人と結婚してオーストラリアに永住しているドイツ人女性でした。
クラスメイトは以下のような人たちでした。
・高校時代に日本に交換留学したことがあり、少し日本語を話せる医師のオーストラリア人女性
・ジャーナリストのイギリス人男性
・英語で教育を受けてきたと思われる富裕層のお嬢様らしき中華系マレーシア人女性
・仕事でドイツに行く予定がありドイツ語を学んでいるエンジニアの中国人女性
・ヨーロッパの四重国籍の音楽家でもはや何人なのか分からない男性
・ワーホリ日本人の私
自分の場違い感がなかなか半端なかったですが、旅の恥はかき捨てですし、正直レベルの高い人たちは(害がない限り)他人のことなどいちいち気にしていないので、コースが終わるまで通いました。
オーストラリア人女性は日本人を見ると懐かしいのか、日本留学時代の話をよくしていました。イギリス人男性は「脳にUSBを挿入したら外国語がインストールされて習得できれば良いのに」、「オーストラリアは昔はもっとヨーロッパらしかったけど、最近はすっかりアジア人が増えてアジアっぽい雰囲気になってしまった」などと言っていました。マレーシア人女性と中国人女性は大体二人で話していました。四重国籍の男性はたまにしか授業に来ませんでした。
スペイン語のマンツーマンレッスンを受けてみた
スペイン語は全く学習したことがないにも関わらず、何を思ったのかスペイン語のマンツーマンレッスンに申し込んでみました。
スペイン語学習者と教師をマッチングするサイトから申し込むと、シドニーに住むコロンビア人女性の先生とマッチングされました。授業料は1時間60ドルでした。
人称、動詞の人称変化、曜日など初歩の初歩を学び、あとは英語で先生と雑談していました。
ジムに通ってみた
運動不足だったのでジムに通ってみました。昔ニート時代に日本で平日の昼間にジムに通った時は高齢者ばかりで、当の高齢者の方々が「老人会」と言っていましたが、オーストラリアでは平日の昼間でも若い人が大勢ジムに通っていました。
ボート漕ぎの動きをするローイングマシンを使っている人が多かったので、ジムに行くたびに真似してローイングマシンをやっていました。
旅行
メルボルン、タスマニア島、ゴールドコーストに行きました。
メルボルンはヨーロッパ風の建物が多く、シドニーよりもアジア化が進んでおらずまだヨーロッパの趣が残っていました。
タスマニア島では州都のホバートに行きました。だだっ広い自然を眺めながらぼーっとしました。タスマニアデビルのぬいぐるみを買って友達の子供にプレゼントしました。
ゴールドコーストは以前から日本人が多い都市のようで、空港に日本語の案内がありました。他の都市では中国語の案内はあっても日本語はないので驚きました。ゴールドコーストにある「カランビン・ワイルドライフ自然保護区」という動物園のような施設で追加料金を払うとコアラを抱っこして写真を撮ることができます。私は追加料金を払いたくないのでやりませんでした。